To the Days of MANZOKU

日々疑問。 バイオ系大学院生のブログ。

げげ

英語のトレーニングの一貫として、2ヶ月に1冊、英語の本を読むことにした。

「TOEIC○○点用」みたいなのを読むのはしゃくだから、ちゃんとした文学作品を英語で読もうと思い、lord of the flies (蝿の王)を読むことにした。

これが本当にため息が出るくらいしんどい。

以前、The selfish gene(利己的な遺伝子)を英語で読んだが、読み通すのはかなり大変だった。
生物学で、さらに一般読者向けという、僕にとっては有利な点があったにもかかわらずだ。

今回はそんな利点なしの、完全な文学なので、単語のトリッキーさが僕のキャパを超えすぎている。

でも、これを読み終えれば、恐らく何か物になっているだろうと思う。

辞書引きまくりで諦めずに読み進めていこう。

Lord of the FliesLord of the Flies
(1959/06)
William Golding

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  1. 2008/08/30(土) 00:28:05|
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体力

イビサ (講談社文庫)イビサ (講談社文庫)
(1995/04)
村上 龍

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村上龍の描く、破滅的物語。

一人の女性の旅を綴ったものだが、単なる旅行記ではない。

自分探し、あるいは自分壊しのような旅の道中では、エログロい出来事で満ちている。

自分とは何か、世界とは何か、その問いかけの果てに待ち受けていたものは、結局は何もないということ。

例えば、陸上へ上がった魚類は何を考えて、そんな危険を冒したのか。

新たな世界を開くためだろうか?
天敵から逃げるためだろうか?

そうではない。
彼らは水中の生活に飽きてしまったのだ。

何もない。何もない。ということが強烈に描かれている。

ただ、その強烈さについていくには、読む方も、それなりの体力がいる。

面白いミステリーを楽しもうと思ったら、事件の詳細や、探偵の推理の流れに、こちらも頑張ってついていかなければならない。

この本もそれと似たような感じで、ちゃんとついていかないと、訳の分からない描写の塊に思えてしまう。

僕は正直、休み休みじゃないと読めなかったし、所々ついていけないところがあった。

この本を一息で読んでしまえる人は、精神的にかなりのマッチョなんじゃないかと思う。

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  1. 2008/08/29(金) 00:13:52|
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わが家にWiiがやってきた

わが家にWiiがやってきた。

Wii Fit をやったが、とても楽しい。

任天堂はやっぱりすごいなーと思ってしまった。

ものすごくゲームをしているという感覚が刺激される。

グラフィックなんかはXboxやPS3に負けるのは否めないが、やっぱりゲームを楽しむ感覚にもっとも忠実な点は他の機種には真似できないところだと思う。

グラフィック先行のゲームはどうしても、ゲームというより映画に近くなってしまう。
ストーリー性や、ムービーの綺麗さがよしあしの基準になる。
基本的なゲームシステムは案外、昔に確立されたものに、ちょこっとプラスアルファといったものも少なくない。
それが悪いとは思わないし、綺麗なグラフィックのほうが感動も大きいと思う。

けれど、じゃあなんで映画を観ないで、ゲームをするのか?と考えたときに、やっぱり映画にはないゲーム性というものを味わいたいからだと僕は思う。

その点で、任天堂は常に基本に忠実な気がする。

あと、やっぱりWiiのすごいところは普段ゲームをしない人も巻き込んでしまったことだと思う。

よく消費者には想像力がない、と言われる。

こういう物があったらいいなぁ、という想像力が先にあって、それを満たすように新しい製品が出されるわけではない。

ファイナルファンタジーやメタルギア・ソリッドで沸き立っていた頃に、どこの主婦が「私も遊べるゲームがあればなぁ」なんて考えただろう。

潜在していたニーズをガツンと掘り起こした点で、DSやWiiはほんとうに革新的なんだと思う。

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  1. 2008/08/27(水) 22:36:06|
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攻撃力

言葉には攻撃力がある。

同じ内容のことを言っても、攻撃力のある言い方をすれば、受ける印象はだいぶ違う。

攻撃力の低い言葉は、いわゆる波風立たない言い方というもので、淡々とした議論や、契約書やらなんやらの公式の文章の中でよく見られる。

一方で、攻撃力のある言葉は波風を立たせまくる。
「女性は子供を産む機械」
なんていうのは、攻撃力の高い言葉の典型だ。

「女性は男性と違って、子供を産むという能力をもっている」
みたいな表現をすれば、似たような内容をもっと波風立たせず表現できる。


で、結局何が言いたいかというと、攻撃力の高い言葉を今日見つけた。

バイトの友達と飲みに行ってたのだが、その友達の友達が、財布の中に美少女アイドルの写真つきのカードをもっていたらしい。

「これ何?」

と聞くと、相手はすごくまじめな顔で

「声優っす」

と言い放った。

「声優っす」、、、「せいゆうっす」、、、。

この言葉、ひとたび人前で放てば、場の雰囲気を大きく変えることができるだろう。

「声優っす」

僕は今までこの言葉を口にしたことはない。

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  1. 2008/08/26(火) 00:46:53|
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夏終わりかけ

北京五輪が今日閉幕。

振り返ってみると様々なことがあった。

僕個人としては男子400mリレーが一番感動的だった。
世界陸上のときの結果から考えて、もしかするとメダルがあるのかも?と思っていたが、実際にがっつり銅メダルをとったときには鳥肌が立った。
日本男子陸上史上初。
いやーすごい。

と、そんな北京五輪が終わったら、なんとなく外の気温も下がってきた気がする。
夏ももうすぐ終わろうとしているのだろうか。

今年の夏は今のところ、あまり夏らしいことができていない。
思えば、学生最後の夏。
このままで終わっていいのだろうか。
いや、よくない。

9月にはぱーっとパラオに行く予定なので、それを楽しみにしておこう。

とりあえず、残暑はあまりきつくならんといてほしい。

近江舞子
BIWA lake. 淡水なだけあって、泳いだ後、水着からなんとなく生臭い匂いがした。

DSCF2199.jpg
奈良 燈花絵。奈良公園周辺に、ろうそくの入った灯りが無数に配置されている。
なんと2回行った。
1回目は近鉄奈良駅に着いたとたん、いわゆるゲリラ雨に襲われ、中止を食らった。
2回目は淀川花火大会の開かれた日で、花火大会に行くか、奈良へリベンジするかで迷った。
大阪は大雨、奈良はほぼ晴れだったので、結果的に良い選択をしたらしい。
日ごろの行いがいいか悪いかは判断しかねる。

DSCF2236.jpg
京都 五山の送り火。
いわゆる大文字焼きをカメラに撮り忘れた。
なんという失態。
でもまぁ来年見れるからよしとしよう。
と思ったら、社会人になってから見れる保証はないんやなー…。

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  1. 2008/08/24(日) 23:34:48|
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本のタイトルは適切か?

エデンを遠く離れて (朝日文芸文庫)エデンを遠く離れて (朝日文芸文庫)
(1994/07)
池澤 夏樹

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いわゆるエッセイ。
僕の趣味じゃなく、ポスドクの先輩が貸してくれた本。

正直言ってあんまり好きになれなかった。

表現の中に色々と上手だなぁと思うところはあったが、論調自体やこの作者のもっている世界観なんかに対しては、良い印象をもてなかった。

科学的な話がちょろちょろ盛り込まれているのだが、何だか盛り込み方が好きになれない。

僕は基本的に科学的な話題を、文学的なものの中に取り入れることがおかしなことだと思う人間なので、そういう類の文章には嫌悪感を感じてしまう。

科学が示さなきゃいけないことは、そういうことじゃないだろう、といつも感じてしまう。

理系作家なんてものはよっぽど特異な才能をもっていない限りうまくいかないと思う。

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  1. 2008/08/23(土) 21:01:11|
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堆積岩

今日で1週間に及ぶ英語研修が終わった。

研修中は元気にしていたのだが、家に帰ってからどっと疲れを感じた。

自分では意識していなかったが、気を張っていた部分があったのだろう。

スポーツ中に怪我をして、家に帰ってから傷が痛み出すようなのに似ている。

研修を終えてみて、これからかなり頑張っていかなきゃならないなぁと実感した。

英語の上達には、何と言ってもどれだけの時間英語にさらされ続けたかが大切だと思う。

講師の先生もexposureが大事だと言っていた。

まさにその通り。

1分、1秒でも多く英語と接していかなければと思った。

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  1. 2008/08/22(金) 23:22:10|
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はや木曜

英語研修もいよいよ明日で終わり。

振り返ってみると、あっという間だったように思う。

一日中英語漬けになっていると、さすがに頭の中も英語っぽくなってしまう。
多分今はさなぎのような状態だから、言葉というものに対する意識がぼやーっとしている。

そういえば、昨日はトレーニング後に社員の方とコーヒーを飲んだのだが、その方が、英語学習が普段の生活にも影響を与えると言っていた。

起承転結でなく、結論から言ってしまうので、家族の人と話をするときは気をつけてしゃべらないと、会話が成立しないらしい。

これもいわゆる職業病というものなのだろうか。

トレーニングが終わっても、まだまだ本気になって英語力を伸ばさなくてはならない。
入社してすぐの5月やら6月に、プレッシャーで胃に穴が開かないように、今の内から鍛えられることは鍛えておこう。

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  1. 2008/08/21(木) 20:39:09|
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トレーニング

会社の英語トレーニングが今日から始まった。

期間は1週間。1週間でどれくらい英語力が伸びるのだろう。

にしても、普段の実験一辺倒の生活から1週間抜け出せるだけで、かなり心地がいいものだ。

朝早く起きなければならないの辛いけど、英語のトレーニング自体は面白い。

英語の運用力を、様々な「スキル」に分割して、一つ一つ訓練していくのは、まさに要素還元的な考え方が好きな、欧米らしいスタイルだと思う。

でも、そういう整備されたトレーニングを受けていると、自分が少しずつ成長できているのが実感できる。

こういう感じ久しぶりやなぁ、と少し胸がワクワクする。

とりあえず、明日もがんばらないと。

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  1. 2008/08/18(月) 19:50:17|
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夢の話

暑くて眠りが浅いせいか、最近変な夢ばかり見る。

夢分析でもしてもらいたいくらいだ。

例えば、オリンピックの夢を最近見た。

おっさんがオリンピックの競技に参加している。
確か屋内競技で、体操の床の真ん中みたいなとこにぽつんと一人で立っている。

突然、服を脱いで全裸になり、食べ物の話を始める。

そのおっさんが何人だったか、話している言葉が何語だったかは分からないのだが、確かに食べ物の話をしている。漫談みたいなやつを全裸で行っている。

競技終了。おっさんは残念ながらメダルを取ることができなかった。

ものすごく悔しそうで、その悔しさが伝わってくるのだが、僕は「何じゃこの競技?」というような顔をしていた。

で、目が覚めた。

他には、とてつもなく恐い夢も見た。

研究室の後輩と、カップラーメンのような食べ物を、どっかの山奥で食べている。
石段が続く山道の途中で、そこに腰掛けて休憩している。
時間は真夜中。

後輩が言う。
「こんなところで、食べ物なんか食べてて、虫とか寄ってこないんですかね?」

僕はそういえばそうだと思う。

懐中電灯のようなもので、あたりを照らしながら休憩しているので、虫が来たら嫌だなぁと思い始める。

「でも、不思議と全く虫いないですね?山奥なのに不思議だなぁ。」
と後輩。

僕はじっと、石段を眺めてみるが、小さい虫すらいなかった。

と、突然、後輩が叫びだす。

「あっ!先輩のうしろなんかいる!」

僕は振り返る。

石段の上の方から何かが降りてくる。

「赤い人間や!赤い人間や!」

と叫びながら後輩は、走って逃げ出した。

僕もソイツの姿を捉えることができた。

とても大きな男で服は着ていない。全身が真っ赤かだった。
猿のようにぴょんぴょん飛び跳ねながら、僕をめがけて襲ってくる。

やばい!
この赤い人間はとてつもなくやばい!!

そう思ったとき、目が覚めた。

汗でぐっしょり濡れていた。

とりあえず、早く秋になってほしいと思う。

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  1. 2008/08/16(土) 17:03:35|
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岩波

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫 青 946-1)生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫 青 946-1)
(2008/05/16)
シュレーディンガー

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シュレディンガーの波動方程式で有名な著者が、生命について論じた本。

遺伝暗号を担っている物質は、多くとも1000原子以下の分子が単位となって構成されていること、周期性をもたないこと、異性体変化が突然変異に関与することを、統計力学、量子論の見地から予測している。

ワトソン・クリックによるDNAの発見により、シュレディンガーの予測が全くもって正しかったことが分かるのは、その少し後の話だ。

でも、シュレディンガー自身は遺伝物質はタンパク質だと思っていたらしい。
文章の中でも、それをほのめかしている箇所がいくつかある。

あと、この本を読んでいて思ったのは、酵素あるいは触媒という考え方が、結構すっぽり抜けていたことだ。

僕は科学史をそんなに知らないので(Wikipediaで調べればすむのかもしれないが)、酵素化学がシュレディンガーの生きていた時代にどの程度認知されていたのかはよく分からない。

酵素による活性化エネルギーの減少を、モデルに加えれば、生命現象を説明するのはもっと簡単になったような気がする。

恐らく、原子から分子の飛躍は物理学の領域でカバーできるが、酵素に関してはまだよく分からないことだらけなので、物理学者が立てるモデルに耐えうるものにはならないのだろう。


最後に、訳者あとがき2008年度版というのがあるのだが、その部分が異様な印象を与えた。

やたらとセックスの話ばかりするのだ。

本文とは99%関係がない。
唯一シュレディンガーが男女関係を例えに使った部分があるくらいで、その話をやたらとあとがきで膨らましている。
最終的には、この本を訳した25歳の頃、僕は童貞だった。と訳のわからないカミングアウトをする始末。
よっぽど欲求不満なのだろうか。
それとも書くことがなかったので、思いついたことを書いてみただけなんだろうか。

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  1. 2008/08/16(土) 00:16:50|
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コエデカ

電車の中で「でかい声が聞こえるな」と思ったら、たいがいギャル男だ。

正解率はなかなかのもので9割を超えていると思う。

なんであんなでかい声を出す必要があるんだろう?
自己顕示欲だろうか。

それとも、本来ものを考えたり、状況を判断するために必要な脳のエネルギーが、使われないせいで行き場を失って、ノドを振るわせるのに使われているのかもしれない。

それか、単純に音量を調節する脳の一部分が腐っているのかもしれない。
ボリューム調節つまみが潰れたラジオみたいに。

いずれにしても、あんまり気にしない方がいい。

道端にいるゴキブリを踏み潰したところで、靴が黄色い汁で汚れる分だけ損じゃないか。

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  1. 2008/08/14(木) 23:48:59|
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ぺきん

北京オリンピックが面白くて、午前中はだいたいテレビを見てしまう。

盆だというのに、自分は出席しない学会発表のために、データをせっせ、せっせと出さなきゃならない。

奉公しているような気がして全く楽しくもなんともない。
単なる労働だ。

まぁ、そのデータだけ揃えればいいので、午後に実験するだけでもなんとか間にあう。

本来は午前から行った方がいいのだが、4年に1回なんやし、まぁ…という感じ。

当たり前のことだが、毎日見所のあるオリンピック。
とても面白い。

時差一時間っていうのも何か臨場感があっていい。

やっぱり実験している場合じゃない。

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  1. 2008/08/13(水) 23:50:54|
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デタッチメント感

パン屋再襲撃 (文春文庫)パン屋再襲撃 (文春文庫)
(1989/04)
村上 春樹

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村上春樹の短編集。

かなり面白かった。
もしかすると今まで読んだ短編集の中で一番面白かったかもしれない。

収められている6つの短編はいずれも、起承転結が明確に分かるような代物ではない。

肩透かしをくらったように、すっと作品は終わっていく。

けれども、読んでいる過程で喚起されるもろもろの思いは相当なものだと思う。

僕は中でも「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」が一番好きだ。
なんとも長ったらしいタイトルだが、ページ数としては10ページしかない。

要約すると、日記をつける主人公のもとに、彼女から電話がかかってきたが、風が強くてよく聞こえなかった、というだけの話だ。

僕は飲み会の帰りのほろ酔い気分でこの話を読んだのだが、なぜかこの作品全体から「共感」を感じてしまった。

恐らくこの作品の主人公が放つ、ものすごい「デタッチメント感」「閉じた世界感」に胸を打たれてしまったんだろうと思う。

多分、そういう世界観だけじゃ駄目だ、という思いが村上春樹自身にあったから、この作品はこんなにも短くなっているんだろうと思う。

最後に収められている「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は「デタッチメント感」以外に、何かが外側から起ころうとしているのだ、というのが感じられた。

この短い作品が、大作「ねじまき鳥クロニクル」につながっていったというのも、短編集全体を読むと分かってくるような気がした。

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  1. 2008/08/13(水) 00:20:57|
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フランス料理

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)
(2000/01)
村上 龍

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中学時代の初恋の人に41歳になってから再開した男の話。

主人公は「69」と同じヤザキ ケン。

「69」の物語は村上 龍の実体験をもとに書かれていたので、この「はじめての夜 …」も本人の体験談じゃないだろうかと思ってしまった。

にしては不倫体験を書いているので、こんなことを大っぴらげにしていいんだろうかと思ったが、解説を読むと、どうも実体験というわけではなく、あくまで小説として書いていることが分かった。
少し安心した。

物語はハウステンボスのエリタージュが舞台で、各章の表題はコースの料理名になっている。

料理の感想がたくさんあって、おいしいものを食べたいなぁと思ってしまった。

「69」にしろこの作品にしろ、読んでいると村上 龍の小説の種明かしになっているんじゃないかと思ってきた。

「限りなく透明に近いブルー」や「コインロッカー・ベイビーズ」「愛と幻想のファシズム」なんかで、一貫して存在しているテーマを、なぜこの作家が書かなくてはならなかったのか、ということがよく分かってくる。

でもまあ、なによりこの作品の中では、中学時代の回想シーンで出てくる、日本中の不幸を一人で背負ったような中学生、ヨシムラくんの印象がかなりでかかった。


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  1. 2008/08/11(月) 22:17:02|
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宗教

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書 し 5-1)日本の10大新宗教 (幻冬舎新書 し 5-1)
(2007/11)
島田 裕巳

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創価学会に代表されるような日本の新宗教を紹介した本。

内容は各宗教の年譜や特徴を淡々と述べた感じ。どこの宗教がいいとか悪いとかいう価値判断はなくて、とても説明調で、知識を得るための本といった感じがした。

新宗教というのは、新興宗教とは異なり、ある程度の歴史があって、カルト的な要素のないものを示すらしい。

この本で紹介されているのは、

天理教
大本
生長の家
天照皇大神宮教と璽宇
立正佼成会と霊友会
創価学会
世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
PL教団
真如苑
GLA(ジー・エル・エー総合本部)

という新宗教。

聞いたことのあるのもあれば、初耳のものもあった。

この本を読んで、知識としての宗教を知っていれば、社会を見る視点が一つ加わることが分かった。

例えば、近所に人がよく列になって並んでいる建物があるのだが、それが真如苑の施設だということがこの本を読んでから分かった。

また、ランキングだとか勝ち負けにやたらとこだわりを持つ僕の知り合いが、創価学会員であることも、この本を読んでから気付いた。

今までよく分からなかったことの原因やつながりが見えれば、それに対処することもできる。

中々大変だけど、知識を集積すれば、そういう利点もあると思った。

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  1. 2008/08/10(日) 23:36:29|
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ごりん

北京五輪開会式の日。

テレビで観た開会式の様子はとてもきれいだった。

発光する服を着たおおぜいの人が、光の粒を作っていた。

ただ、北朝鮮のマスゲームにしてもそうだが、一人の人間が全体の一部を構成するという状況を見ると少し恐く感じてしまう。

人間が部品になってしまったという気がしてしまう。

ある少年の両親が塔のレンガの一部になってしまうアニメを小さい頃に見たことがある。
タイトルはどうしても思い出せないのだが、レンガになってしまった両親の前で号泣する少年の姿だけが、印象に残っている。

そのとき感じた恐怖が、今も残っているのかもしれない。

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  1. 2008/08/09(土) 00:46:37|
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ミキサー

小説の力というものを最近感じた。

研究に関するごたごたで、最近はやけに気分が嫌になることが多い。

そういうときなんかは、音楽を聞くことさえ億劫になる。
興醒めしてしまうというか、なんとなく「けっ」という感じになってしまう。

そんなときでも小説なら読むことができる。

しかもできれば短編がいい。
ミステリーなんかよりも文学に近い方がいい。

読んだ後で、心がすっとする、というと嘘になってしまうが、明らかに読む前と読んだ後の心の持ちようが違う。

それはときにはよりヘコむ方向に進む場合もあるから、しょうもない自己啓発本とは勝手が違う。

ある種の物語を通過することで、心の状態がかき混ぜられると表現するのが一番適切な気がする。

かき混ぜられる前後で何かが違っている。
  1. 2008/08/07(木) 00:26:29|
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夏休みとは

バイオ系の研究室に所属していては、学部時代のようなあの長い長い夏休みが懐かしくなってしまう。

もちろん社会に出れば、2ヶ月もの夏休みという甘っちょろい希望を胸に抱く自体、ありえないことなのだと思う。

けど、大学院生といえども、そこはやはり学生なわけだから、休ませてもらいたいものだ。

なぜ、学費を払いながら、馬車馬のごとく朝から晩まで実験せにゃならんのだ。

こんな下らない実験なんて、別に学生が必死になってやらんでも、パートのおばはんでも雇ってやらせりゃいいのだ。

なんの知的生産性もない、単純労働。出稼ぎ労働者。

大体、生物学の研究なんて、パッチワークみたいなものにすぎない。

ある生物のあるタンパク質をターゲットに、やれ免疫沈降だ、やれ局在だ。

すでにルーチン化されている実験手法の中からどれをチョイスするか。
そして、その実験における最適条件の検討を、どれほど脳たりんの反復運動のように、思考力を停止し、作業に没頭できるか。

問われているのは、結局そんなところじゃないか…。

これのどこが科学なんだ…。

21世紀初頭、今科学を最も愚弄しているのは生物学に他ならない。

僕の確信はゆるぎそうにない。

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  1. 2008/08/05(火) 00:49:50|
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コインロッカー

コインロッカー・ベイビーズ (上) (講談社文庫)コインロッカー・ベイビーズ (上) (講談社文庫)
(1984/01)
村上 龍

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コインロッカー・ベイビーズ (下) (講談社文庫)コインロッカー・ベイビーズ (下) (講談社文庫)
(1984/01)
村上 龍

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村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだ。

「限りなく透明に近いブルー」「海の向こうで戦争が始まる」に続く、三作目の作品に当たる。

小説にしろ、音楽にしろ、3作目が一番大事だと、村上龍本人が言っていたが、「コインロッカー・ベイビーズ」は確かにすごい作品だと思った。

コインロッカーに捨てられた2人の孤児、キクとハシが織り成す物語で、後半ではキク編とハシ編が交互に描かれるようになる。

キクは行動と暴力、ハシは精神と倒錯がメインに描かれていて、後作「愛と幻想のファシズム」のトウジとゼロにそれぞれがつなっがているらしい。

「コインロッカー・ベイビーズ」には作品全体に一貫してある、メッセージがあるが、その描き方が、手を変え品を変えて散りばめられている気がした。
だから、様々な場面、様々な描写の中で、いくつかは自分の気持ちにどんぴしゃりと合致するものに出会える気がする。

結局のところ、すべての人間がだだっ広いコインロッカーに捨てられた孤児であって、必要とされている人間なんて、この世界に誰一人としていない。

確かにそうなのかもしれない。

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  1. 2008/08/02(土) 23:59:39|
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プロフィール

torimeshi

Author:torimeshi
年齢:23歳
職業:バイオ系大学院生M2
好物:コーラ、果物、蕎麦、あぐらの焼肉
体質:酸っぱい物を食べると額から汗が出る
最近:悶々とした日々

鳥のフォルムって格好いい。
特に猛禽類はすげぇ。
ついでにこいつは文鳥。

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