★★★★★
「ライ麦畑でつかまえて」の村上春樹訳。
野崎孝 訳や
原著は読んだことがないのだが、色んな人からこの本の話は聞いていてぜひとも読んでみたいと思っていた。
内容は主人公のホールデン・コールフィールドが退学処分を受けた高校から抜け出して、3日間ほっつきまわるというもの。
たった3日間なのだが、そこで描かれているものを全部集めたら、この世の中の1/3くらいのものについて描きつくしてるんじゃないかと思えた。
いんちき臭い大人の世界。
本当のこと、本当の問題に目を向けない奴等の集まり。
ホールデンが語る情景は、10代特有の反抗的な感情のように見えるけど、実は人間にとって一生抱えていかなければならないものを、ストレートに見つめたんじゃないかと思った。
「未成熟なるもののしるしとは、大義のために高貴なる死を求めることだ。その一方で、成熟したもののしるしとは、大義のために卑しく生きることを求めることだ。」
作中に表れるこの言葉が、作品全体の流れを表しているように思えた。
だだっぴろいライ麦畑。走り回る子供。よく前を見ないで、クレイジーな崖っぷちから落ちそうになる子供。朝から晩まで、そんな子供をつかまえる僕。
ホールデンの夢はこんな感じだが、この文章を読んでいるときになぜかドキドキして、ちょっと泣きそうになった。
やっぱりそういう風な未来があればと思うけど、現実はどこかで折り合いを見つけていかなければならない。
ちょっとずついんちき臭くなっていくのが一番楽な方法なんやろうけど、できたら自分の思っていることをやってみたい。めっちゃしんどいんやろうけど。
ブログのタイトルでは「高校生のとき読んどきゃよかった。」と書いたが、思えば今この歳でこの本を読めてよかった。
高校のときに読んでても、大学に行くっていう単純で明確な目標があったから、感動とかせんかったと思う。
未熟にすらなれてなかったのか、それとも今の僕が昔より未熟になってしまったのか。
多分30歳とかなったら、また感じることが違うと思う。
懐かしむくらいの余裕があるのか、今より共感するくらい無茶をしているのか。
また読み返したときにどう思うか。
検討もつかん。
テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌
- 2007/05/17(木) 01:39:57|
- 本
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